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Marcello Gandini / マルチェロ・ガンディーニ氏

Designers   Fissore  Gandini  Giugiaro  Pininfarina  Scaglione  Spada  Stevens  Wallace  Zagato

World Fame of Exotic Supercar Designer / スーパーカーの世界的デザイナー

Chapter 6 - Section 2 - Subsection 2

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第6章 第2節 第2項

マルチェロ・ガンディーニの名は、スーパーカー・マニアでなくとも耳にしたことがあるのではないでしょうか。彼は、工業製品および産業としてのスーパーカー、その起源とされているランボルギーニ・ミウラやそれに続くカウンタックを生み出した、世界で最も有名なカー・デザイナーの1人です。

彼は、ランボルギーニがフォルクス・ワーゲンに買収されるまで、同社のほとんどの車種をデザインしました。そのためスーパーカー専門のように思われがちですが、一般車や商用車、オフィス家具やヘリコプターなどのデザインも手掛けており、スズキ・ワゴンRの愛用者として知られています。

Basic Information about the Designer / デザイナーの基本情報

Personal Profile / 人物プロフィール
Name / 氏名 Marcello Gandini マルチェロ・ガンディーニ
Born / 生誕 26 August, 1938
 Turin, Piedmont, Italy
1938年8月26日
 イタリア、ピエモンテ州、トリノ
Occupation / 職業 Freelance Automotive, Industrial and Interior Designer フリーの自動車・インテリア・工業デザイナー
Career / 経歴 1965-79:
 Chief Designer of Stile Bertone
1979-Present:
 Freelance Designer
1965~79年:
 ベルトーネのチーフ・デザイナー
1979年~現在:
 フリーランス・デザイナー
Associates / 関係者 Nuccio Bertone,
Giorgetto Giugiaro
ヌッチオ・ベルトーネ、
ジョルジェット・ジウジアーロ
Clients / 顧客 Alfa Romeo, Bugatti, Citroën, Cizeta, De Tomaso, Ferrari, Fiat, Iso, Lamborghini, Lancia, Maserati, Renault etc. アルファロメオ、ブガッティ、シトロエン、チゼータ、デ・トマソ、フェラーリ、フィアット、イソ、ランボルギーニ、ランチア、マセラティ、ルノー等

Personal History / 人物の略歴

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トリノでフリーのデザイナーとして活動していたマルチェロは、ベルトーネのチーフ・デザイナーだったジョルジェット・ジウジアーロがカロッツェリア・ギアへ移籍した後任として、1965年にベルトーネへと迎え入れられます。

ベルトーネで初めて手掛けた作品が、ランボルギーニ・ミウラです。フェラーリ250LMやATS2500GTなど、レースカーの遺伝子を持つ同時代のミッドシップ車と比べ、キャビンを前方に押し込み過ぎない優美なフォルムを実現しています。

ウェッジ・シェイプ・スタイリングを市販車に初採用したカウンタックの大成功により、フェラーリに対するピニンファリーナの如く、マルチェロのデザイン手腕はランボルギーニ車のブランディングにおいて欠くべからざる存在となりました。

ランボルギーニ以外でも、ランチア・ストラトスなど美観と機能とを両立させた傑作を数々生み出し、ベルトーネ在籍中はコンセプトカーの全てを手掛けました。79年にベルトーネから独立し、フリーのデザイナーとして現在でも活躍しています。

Representative Design Works / 代表的なデザイン作品

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マルチェロ・ガンディーニが生み出したスタイリングは、正にエキゾチック・スーパーカーの代名詞です。決して奇をてらっているのではなく、エンジニアリングに裏付けられた機能美、彼にしか描けない造形美、過去に存在し得なかったフォルムの創造美が、見事に融合した結果です。

数ある名作の中で、彼の名を不動にしたスタイリングがカウンタックのウェッジ・シェイプ(市販車初)です。90年に生産が終了しても、続くディアブロにもウェッジ・シェイプが継承されたため、親会社やデザイナーが変わっても、ランボルギーニ旗艦モデルのスタイリングとして定着しました。

Lamborghini Countach LP500 1971 / ランボルギーニ・カウンタック LP500 1971年

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カウンタックの特徴であるウェッジ・シェイプ・ボディと前方へ跳ね上げるシザー・ドアは、マルチェロが1968年に発表したベルトーネのコンセプトカー、アルファロメオ・カラーボ(シャーシはティーポ33/2)を正常進化させたデザインです。

写真のモデルカーは71年のLP500(5リッターV12エンジン搭載)で、マルチェロが描いたシンプルで美しいスタイリングのカウンタック試作第1号車です。1台だけ製造された実車は、衝突試験に用いられたため、現存していません。

ボブ・ウォレスらの試験走行によって、エンジンの冷却効率が問題となりました。そこでオーバーヒート対策として、ボディに吸気口や排熱口などを増設、エンジンも4リッターに変更し、74年に市販型のLP400が完成しました。

カウンタックの1/43モデルカーは数多くありますが、現存しないLP500は極めて珍しい作品です。1台しか製作されなかった実車が黄色いため通常だと黄色ボディなのですが、写真は25台限定生産された赤色ボディの特別な作品です。

Cizeta Moroder V16T Prototype 1988 / チゼータ・モロダー V16T プロトタイプ 1988年

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Claudio Zampolli
Giorgio Moroder

チゼータ・モロダー社は、ランボルギーニの元エンジニアで実業家(アメリカでディーラー経営)のイタリア人、クラウディオ・ザンポーリ(イニシャルC.Z.=チ・ゼータ)が、著名なイタリア人音楽プロデューサー、ジョルジオ・モロダーと共同出資してモデナに設立したスーパーカー・メーカーです。

同社初にして唯一の生産車V16Tは、プロトタイプ第1号車が88年1月に初公表されると、3月にジュネーヴ、12月にロサンゼルスでお披露目されました。クラウディオが新規性を追求した結果、2基連結した横置きV8エンジン(V16)と縦置きトランスミッションをT字形にミッド搭載しています。

個性的なV16Tにマルチェロ・ガンディーニが与えたエクステリアは、元々ディアブロ用に描いたデザインの発展形です。ディアブロは、彼のデザインを気に入らない親会社のクライスラーが修正を重ね、無難な形状に収めた結果なので、V16Tの方にマルチェロの個性がより強く表れています。

91年から市販されたものの、ジョルジオが経営を離れたため車名はチゼータV16Tに変更され、20台足らずを生産しただけで同社は95年に倒産します。しかし2003年、クラウディオはチゼータをアメリカで復活させるのです。写真の1/43モデルカーは、イギリス・SMTS社のホワイトメタル製です。

Maserati Chubasco 1991 / マセラティ・チュバスコ 1991年

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Maserati Shamal

three large frontal airscoops and large ducts under the doors which would accelerate and exhausted air

ディアブロとチゼータV16Tの関係に似て、ブガッティEB110といわくのあるマルチェロ・デザインのコンセプトカーが、マセラティ・チュバスコです。ブガッティに提案したデザインで開発試作車が5台製作されましたが、契約は破棄されました。マルチェロは、そのコンセプトをチュバスコへと発展させます。

当時デ・トマソ傘下にあったマセラティは、マルチェロが89年にスタイリングを担当したシャマル(89年)の3.2リッターV8エンジンをツイン・ターボ化(430ps)し、バックボーン・シャーシにミッド搭載するスーパーカーの開発を企画します。それがチュバスコで、90年12月にモックアップが発表されました。

チュバスコとは、メキシコ・中南米の激しいスコールや、アメリカ南西部に吹く強風雨を意味します。一見クーペ・ボディですが、実は屋根を取り外してエンジン・フード上に装着するタルガ仕様です。結局チュバスコは、製造コストに見合う収益が確保できないという理由で、生産化はされませんでした。

機構上の課題だった空気循環を、全てボディの下半分に取付けた吸排気口で解決し、ボディ上面を極めて滑らかに整えたスタイリングは、マルチェロが到達した究極のウェッジ・シェイプ・ボディに仕上がっています。1/43モデルカーでは、フランスのアレザン社がクーペとタルガを発売しています。

Topics / 新着情報

2017.02.06

第7章「博物館」・全4節を新規掲載

遂に全7章(日本語コンテンツのみ)の執筆を完了。英日対訳の日本語部分だけで約1年半かかってしまった。意図的に先延ばした箇所があるものの、何とか最後までたどり着いた。拍手!拍手!

2017.01.15

「車種リスト」ページを新規掲載

本編ページに掲載したモデルカー作品を検索するための、アルファベット順車種リストページを作成

2017.01.09

第6章・第5節「製品化要望」を新規掲載(第6章完了)

第4節の掲載から3箇月以上間隔が開いてしまったが、モデルカーを過去・現在・未来の時間軸を通して考察することができた。主要な日本語コンテンツとしては、第7章の「博物館」を残すのみ。

Headmaster / 学院長

1965(昭和40)年生まれ射手座A型のスーパーカーブーム直撃世代。小学高学年でガンディーニ・デザインに魅了される。
時を経て1990年、ロンドン駐在時に英国製の1/43精密モデルカーに出会い収集を始める。1998年の帰国後は、国内の専門ショップに収集拠点を移し、現在に至る。
スーパーカーを主軸とするロードカー・2ドアクーペに車種を限定することで、未組立キットを含め約5000台を収集。
モデルカーの認知拡大、コレクターへの支援、業界の充実発展を願い、主力3700台を『世界モデルカー博物館』に展示。
同時に、展示作品の愉しみ方を解説する本サイト『モデルカー学』を開講。現在も「コレクター道」を実践・追究している。

―2015年5月現在―

2017年6月末に英国ロンドンへ再赴任し、現在ロンドンから欧州の様々な情報をブログとFacebookで配信中。

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